憧れ
私には永遠に尊敬するであろう人が肉親以外にいる。
それはサッカー選手、三浦知良選手である。
彼に対する尊敬は私とサッカーの出会いに大きくかかわっている。
今回は、そんな話をしてみたいと思う。
私とサッカーとの出会いは小学校2年の時だった。もう9年も前の事になる。
今思うと当時はまだJリーグもまだ無く、世間のサッカーに対する関心は薄かったのかもしれない。
しかし子供の私にそんな理屈は不用だった。
ただボールを追いかけて、蹴って、ゴールを目指すということが楽しくて仕方がなかったのだ。
そうやって毎日同じ学校に通っているかすら分からないような友達と公園でサッカーをしていた。
そのような日々を送り、少しの月日が流れ、部活をはじめる時期が来た。もちろんサッカー部に入った。
そこで本格的にサッカーをはじめた。それと同時に、Jリーグが開幕した。
はっきり言って当時の私にはJリーグがなんなのかよく分かってなかった。
しかし、前年の代表の試合で大活躍した選手がいるらしく、その選手の名前だけは聞いた事があった。
きっと凄い選手なのだろう。そう思ってTVの前に陣取った。数分後に衝撃を受ける事など露知らず。
忘れもしない1993年5月15日午後七時頃のの事である。
テレビを見ていると、華やかな開幕のセレモニーが行われていた。
そして遂にキックオフ。
Jリーグが始まる前から遊びながらサッカーをかじった『つもり』になっていた私は、プロがどんなサッカーをするのか、というよりは大人がどんなサッカーをするのだろうと思っていた。
開始してからどれくらいだったか覚えていないが、ドリブル突破を図った選手がいた。
DFが詰める。
正直言って『ここで取られるな』と私が思ったとき、その選手はゴールはならなかったもののシュートまで持っていって見せた。
・・・・・す、凄い。
子供心にそう思いながら、選手の名前を知った。
『三浦知良』通称カズである。
理屈はもうない。その瞬間からこの選手の虜になった。
今思えば、永遠の尊敬の出発点はこの瞬間だったのかもしれない。
それ以来、私はTVや雑誌で彼の特集が組まれているのを見かけるたびに食い入るようにしてみている。
そこで見たものは更に衝撃的だった。
カズは非常に自分に厳しかった。追いこめるところまで追いこんでいた。
更にそれよりなによりサッカーが大好きなのだろう。
『好き』という領域を越え、生活の一部となっているように映った。
これだけの努力とこれだけの気持ちがプレーに反映されているのだなあと実感させられる日々。
私は、自然に『カズ』という存在をを追いかけていた。
しかし、その数年後彼は苦難の時を迎える事になる。その事実はあまりにも有名になっている。
W杯直前の代表落ち。
スイスでおきた衝撃の出来事。
カズは、長年の夢であるW杯を直前に代表から落ちた。正確には落とされたのかもしれない。
このニュースを字幕で見たとき唖然とした。信じられなかった。
『W杯なんか見ねえよ。』
そう呟いた。
確かに、予選で点を取ったのは緒戦のウズベキスタン戦の4得点だけだった。
しかしその時のコンディションは最悪。
W杯直前は絶好調だった。しかし・・・代表落ち。
監督が下した評価だといえばそれまで。けれど、私にはエコヒイキにしか見えなかった。
この問題には多くは言及しない、というよりしたくない。
日本では色々な報道がなされた。『岡田監督大英断』だとかなんとも信じられない記事が。
どんどん出てくる『カズ・バッシング』。非常に頭に来た。ホントにサッカーを見ている人が書いた文章なのか疑った。
そうこうしているうちに、カズは帰国、成田での記者会見が行われました。そこでの内容は私の絶対神が発した一言しか覚えてない。
その一言は全てを吹き飛ばすくらいの重みを持っていた。。
『日本が一時予選をとにかく突破して決勝トーナメントに出れるように願ってるし、北澤も僕も、自分達のサッカー日本代表としての誇り、魂みたいなものははフランスに置いてきたと思っているので絶対頑張ってもらいたいと思います。』(代表を落とされ一緒に居た北澤選手の言葉も、ポジティブな言葉で印象に残っているのですが、ここでは割愛させていただきます。)
この言葉を聞いたとき、カズ選手は、今どんな気持ちだろう思い、またそれでもこんなことを言える彼は凄いと思うと同時に、心底日本代表やサッカーが好きで、サッカーをする人間なら誰もがあこがれる夢の舞台に上がる直前で引き摺り下ろされた悔しさ、そして呼ばれてさえいれば絶対に仕事は出きるという自信。この二つを見たような気がします。
この時私はある一つの事を感じた。それは、『もうカズは次を見据えている。過去などどうでも良いんだ。W杯は四年後にまたやってくる。』 あれから三年。
カズ選手はヴィッセル神戸でプレーしている。
その先に見据えているものはきっとW杯。そんな彼は、今でも、そしてこれからも私の憧れだ。
2001,5/26作成、12/1修正。
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